STORY
ー絶望の中を進め、破壊の奥にある希望を求めて
"あの塔には、希望が詰まっている
いつか俺は、あの塔にいくんだ"
希望の塔。
誰もが理想を重ね、憧れを抱く場所。
激動の時代を経て、大和国は、選ばれし賢者の末裔〈ノア〉が治める平和な国へと姿を変えていた。
ノアは【希望の塔】に住み、人間〈アダム〉もまたその塔に住まわせることで、かつてアダムを脅かしていた存在――鬼〈イサク〉から彼らを保護していた。
そして、【塔の外】で暮らす賢者の末裔〈エバ〉たちもまた、皆その塔に想いを馳せ、希望を胸に憧れを募らせていた。
紅緋(べにひ)も、そのひとりだった。
ある日、紅緋の親友・碧(へき)がノアに選ばれ、希望の塔へと旅立つ。
紅緋もまた、いつか自分が選ばれることを夢見て、日々鍛錬を重ねていた。
その日が来ると信じて。
そして10年の月日が流れるー
希望の塔から、ひとりのアダムが逃亡してくる。
彼は言った。
「希望の塔を、破壊してほしい」
保護されているはずだったアダムたちは、実は塔の中で、奴隷のように働かされていたのだった。
さらに塔の中では、外の世界に生きる人々を“洗い流す”ノア計画が密かに進行していた。
ノアとなった親友の碧は、
外の世界にいるかつての仲間、そして全世界の人間を殺すその計画に本当に賛同しているのか?
塔にあるのは、本当に“希望”なのか?
あの輝きの奥にある真実とは?
この世界には、いくつの“正義”が存在するのだろう。
それぞれの正義がぶつかり合うとき、
彼らが辿り着く結末とは。
ーこの物語は、きっと遠くの話ではない
あなたのすぐ近くにある真実かもしれない
◉劇団アレン座より
あれから10年の時が経ちました。
私たちの歩みには様々な出会いや別れがあり
その一つ一つに喜び、傷つき、もがいて前に進もうと努力してきました。
一つも忘れていない。
脇目もふらず駆け抜け10年の月日が経過。
この物語を創作した鈴木茉美の願いや怒りを籠めた声は、訴え続けるうちに彼女の精神を削り、しかし確実に太らせながら、時代とともに進んだ。
今なら理解が追いつくだろうか?
時代は追いついただろう?
それとも離れてしまったか。
退化したのではないか。
AIの発達、世界の大きな変革。
時代は流れ続けて2025年。
世の中はよりよく進んでいるとは決して思えない。
演劇を通して、私たちのメッセージを受け取り理解して欲しい。2度目の挑戦、『TOU -REBUILD-』は私たちの命と情熱と想いと技術の結晶。決して妥協せず。一変の言い訳も許されない状況に自らを追い込み続けてきました。
2026年1月。
再び劇場でお会いしましょう。

